憧れの五能線 さよならキハ40

2002年初夏、行合崎ニッコウキスゲの感動から18年。以来、何度訪ねても憧れの五能線。その名の通り五所川原から能代まで150キロも続く鉄路なので、まだ深浦界隈しか知りません。なのに80年代の象徴キハ40が終焉の時を迎えています。終わりが近づくとやり残したことに気づく、趣味の世界でも日常でも。(2020/9/2-4)

4年ぶりの五能線。かつては上野発寝台特急あけぼので。今は羽田から1時間で大館能代空港。道の駅二ツ井で、信じられない安さで地元の新鮮食材を買い込んで、秋田と青森との県境の緑の森で、一発目。

そして、最初に海が見える場所。毎回立ち寄ります。イカ焼きの福寿草さん、今日は烏賊干しが少ない感じ。コロナの影響でしょうか。

先ほど森の中で撮った普通列車が、海岸線を深浦に向かいゆっくりと走ります。雲多めながら晴れています。波は穏やか日本海。

国道沿いのラーメン屋(ラーメン101)でお昼。これが大当たり、絶品味噌ラーメンでした。一食得した気分です。お目当ての海産物、とくに深浦マグロを求めて、風合瀬の道の駅。これで夜の食材が揃いました。

本数が極めて少ない五能線。午後3時台の深浦折り返しが午後唯一の撮影機会。300㎜にテレコン装着し、赤岩あたりの奇岩を海越しに狙います。

深浦をすぐに折り返し、再び五所川原方面に向かいます。少し位置を変え、大岩に向かう海の中の道からの1枚。雲が切れ強い日差しは真夏のようです。

宿はウェスパ椿山。チェックイン後、夕日狙いはどこにしようかと迷った末、驫木駅にしました。秋の涼しい夕暮れに見えますが、ものすごい蒸し暑さです。

落日前に、リゾートしらかみが通過します。いい雲です。

そして、驫木駅のホームの先に日が落ちます。私の世代だと、このシーンのBGMは、スパイダースの「夕日が鳴いている」

そして、日没20分後、本命キハ40普通列車が驫木駅に入ってきました。

悪くはないけど、満足感もない、なんとなく夕景驫木駅。こうして初日終了。宿に戻って深浦の海の幸、能代の山の幸でお腹いっぱい。明日も晴れ予報です。

2日目の朝。すでに気温は30℃を超える暑さ。それでも天気は最高。深浦の町を過ぎ、さてどこで撮ろうか考えるのは楽しい時間。そして、始発の上り列車は、定番ですが美しく色づいた田園を望む追良瀬のプチ俯瞰で。朝の光線が実に清々しい感じ。正解でした。

深浦から戻ってくる普通列車は、大合瀬で日本海バック。画角には海とキハのみ。

宿に戻って朝ごはん。ウェスパ椿山、ゆっくりできる良い宿、観光開発に期待された宿ですが、残念ながら今年いっぱいで閉館です。

宿から歩いて5分の実りの秋。しかし、フェーン現象で気温は35度を超え猛暑です。

ウェスパ椿山駅前には、かつて五能線を走った86蒸気が佇んでいます。キハ40とのツーショット。

五能線の名勝地の一つ、賽の河原へ。行く途中にはこんな岩が。悪の秘密基地みたいな形ですが、象岩といいます。

賽の河原に向かう途中の絶景、エメラルド日本海。

賽の河原からは、午後の一本が、いちばん光線状態が良いのですが、3度訪ねた中で、条件は今回が一番です。魚が見えるくらい澄んだ海です。手すりも何もないので、夢中で構えて落ちたら冥土行きです。

陸奥岩崎駅。駅に歴史あり、趣があります。いつか、一駅づつじっくり巡りたいと思います。近くに蟹販売の店では、お得な価格で紅ズワイ。

楽しみな夕日です。日没前のリゾートしらかみを赤岩にて。以前はここから至近距離で駐車スペースがあったのですが、無くなってしまい、仕方なく遠くの行合崎の駐車場に停めて、ここまで歩きました。地方創生を考えると、こういう景勝地のそばに車を停車できるスペースを作るべきと思います。

日本海に、夕日が沈みます。

そして、日没後のマジックアワー。雲が切れプレーンな空。湿度が高いのが功を奏し、残照がボンヤリと輝く素晴らしい夕べ。昨日と同じ驫木駅。今回は、シルエットのように撮ろうと決めていた構図。顔が残照にうっすら輝く、イメージ通りです。

下車した人が、ホームで去る列車を撮影。これは計算外でした。満足な1日でした。旅の神様に感謝です。初秋のキハ40の雄姿、存分に撮れました。

翌日は、北海道に渡るため、一路青森へ。前日までとは打って変わって豪雨です。思えば奇跡のような快晴の2日間でした。

新青森駅でレンタカーを返し、新幹線に乗ろうとしたら、大雨で約2時間足止めです。

やっと津軽海峡を越えたら、今度は函館本線が大雨で新函館北斗で足止めで3時間待ち。ようやく雨が上がり、夕焼け空に虹が出た頃、特急北斗に乗れました。

私の夏休み、to be continueです。

四季の旅写真Gallery Annex

北海道、関東中心の、鉄道風景写真ギャラリー(新館)です。

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