悲しいニュース(根室本線)

1月31日、「富良野市など沿線市町村が根室本線富良野・新得間の存続を断念した」とのニュースが。気持ち的に問題を先送りし、僅かに奇跡を願っていたけれど、ついにその時がきたという感じ。鉄道を趣味的に愛する者としては悲しい現実です。湖畔に沿って、木々の間を見え隠れしながら走るキハ。廃止時期はまだ決まっていませんが、あと何回会えるのかな。(2022/1/20-21)

年初から大雪続きで数日間運休だった富良野の根室線。ようやく動き出した1月20日の訪問です。まだ廃線決定前でした。午後の往復に間に合うように富良野に到着し、まずは芦別岳バックで。

天気は極上の冬晴れ。日があるうちに駅撮りをしました。まずは山部駅。国道まで出て構えると夕張山地を望む駅であることがよくわかりますね。それにしても雪深いなぁ。

続いて、下金山駅。1日の乗降客は非常に少ない駅ですが、ホームは勿論のこと、駅舎からホームまでのアプローチもしっかり除雪されていました。厳冬期、鉄道運行を維持するご苦労がわかります。サッポロビールの広告が消え、残った空白部分が気になりますね。

午後の東鹿越発の列車が戻る頃には日が落ちてしまいました。

冬至の頃よりは、少し日が長くなりました。夕方の列車は、多少なりとも明るさが期待できる布部駅で撮ることにしました。日が沈んだ方向にレンズを向け、ホームと夕張山地が入るように構えました。到着が5分ほど遅れました。お陰で、美しい「蒼い時」になりました。

乗客が一人、下車しました。

車に戻ると、気温がマイナス17度。指先が痺れるほどの寒さでした。返しは撮らずにホテル(いつもの富良野ラビスタ)にチェックイン。さっそく温泉に浸かり温まりました。夕食はセコマのホットシェフで軽く済ませ、夜食には無料の夜泣きそばを頂きました。

翌朝はマイナス20度には届きませんでしたが、期待通りの冷え込みです。余裕をもって早めに宿を出て、始発回送が通過する前に金山湖に到着しました。樹氷を期待して、いつもの鉄橋ポイントで。思ったほど寒くありません。始発回送をここで撮りました。まだまったく夜が明けていません。

そして夜明け前の始発列車。樹氷の森をいくキハ。ライトがいい感じ。この場所では、芽吹きの春、緑の夏、錦秋の秋、落葉松の黄葉、そして真冬の樹氷と、季節の象徴的なシーンがすべて撮れました。

午前の撮影は、あと1往復。東鹿越行きは金山湖畔で撮りました。

午前最後の撮影は、東鹿越9:15発。時間はたっぷりあるので、東鹿越駅に寄って停車中のキハを撮りました。

真冬の金山湖は、ワカサギ釣りで有名です。いつか、こうして釣ってみたいです。

南富良野の道の駅には、こんな看板が。鉄道存続への町の明確な意思を感じました。

幾寅駅にも、立ち寄りました。雪深いですね。

そして、真冬の富良野の根室線、今回の最終カットです。樹氷をあちこち探した結果。空知川の近くで、素敵な場所を見つけました。ダイヤモンドダストがキラキラ舞う、幸せな待ち時間でした。

自然災害をきっかけに長期運休を経て廃止に至るのは日高本線(鵡川・様似間)と同じパターン。鉄道がなくても生活に大きな支障がないことが実証されてしまった感があります。代替手段が豊富になった今日、多くの赤字ローカル線は同じ運命なのでしょうか‥‥。そうならないことを願いたいです。白老鉄日記vol.60でした。

四季の旅写真Gallery Annex

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