廃線まで残り7ヶ月となった根室本線(富良野・新得間)。夏の訪問は、6月ルピナス、7月ラベンダーに続き、三度目です。今回は晩夏ということで「秋の気配」がテーマです。狭間の季節の平日で撮影者も少なく、独り静かに、最後の夏時間をしみじみ味わうことができました。(2023/8/27-28)
根室かに祭りがお目当ての家族旅行から帰る途中、富良野で一泊し、根室線を撮影しました。朝、釧路を発ち、昼過ぎに富良野に到着しました。午後の列車まで時間がたっぷりありました。季節のアイテムをチェックしながら、一駅づつ立ち寄りました。列車通過まであと1時間。青空の下、セイタカアワダチソウ咲く下金山駅。今、列車が来てくれたら側面に日が当たるのになぁ‥‥。
天気はまずまず。芦別岳も見えていました。結局のところ、午後3時の東鹿越往復の一本目は金山ダムから。夏の深緑がテーマなので、手前の林を入れた構図にしようと、ダムの事務所に近い(左寄り)ところを立ち位置にしました。
一方、1ヶ月後、桜が赤く色づき、山の広葉樹の色づきが進む頃には、グッと右に移動して電線をかわし、紅葉した桜をメインに撮ろうと思います。
ここは、絶景であることに加え、立ち位置を変えることで、景色も大きく変わります。おもしろい場所です。(芦別岳が見えるか見えないか、何をメインに撮るかで、立ち位置を変えます。)
東鹿越からの返しは、平凡ながら、金山駅。何度も撮った景色ですが、ここも深緑バックに、押さえておきたい最後の夏景色です。ここは横構図にすると左にコンクリの電柱が入り、画面が分割されたような絵になります。それを覚悟で横で撮るか、このように縦にするかは、ケースバイケースですが、そんな悩みも楽しい場所です。
ここまでは日差しがありましたが、次の17時台の往復の頃には、雨模様になりました。日も短くなり、夕暮れの雰囲気の布部駅です。
布部駅ではいつも障害物競走のような撮影になります。電柱、小さな標識、鉄塔などなど、小さなホームもわりとゴチャゴチャしています。これら気になる物を気にせず撮るか、交わすかです。今回は、背後の山(夕張岳)を入れて望遠で。雲がかかった山の雰囲気を活かそうと、障害物には敢えて目をつぶりました(;^_^A
今回の宿は麓郷のペンション「ふらりん」。初めての宿泊でしたが、値段はお手頃で、布部駅から10キロと近く、撮影に便利な宿です。相方の話では、朝食が良かったと(私は朝練のため、朝食はパスです。)。
翌朝は、完全に荒れた天気。こういう天気なら、金山湖も良いかもと、始発回送は湖畔で構えました。春は駐車場は水没するほど湖水は満水でしたが、随分と水位が下がっていました。湖畔に熊の出没があったので、キャンプ場は閉鎖中でした。ここまで雲が立ち込めた金山湖は初めて。
東鹿越からの始発列車は、定番の鉄橋ポイントで。天気が良いとかなり強い逆光ですが、曇天が幸いし、しっとりと夏の緑を撮ることができました。ここも撮影者は私一人。今回の富良野では、乗り鉄メインの駅撮り撮影者を見かけた程度で、撮影地はどこも閑散としていました。
次の7時台の東鹿越行きは、布部駅が見える田園から。前日のロケハンで、押さえておいた場所です。タイミングよく国鉄色がやってきました。秋の気配を感じる1枚になりました。
国鉄色の東鹿越からの返しは芦別側で撮ることにして、その前に富良野往復の列車をワインハウスから。宗谷色です。山が見えないので、こんな構図にしてみました。
今回のファイナルカットです。東鹿越から戻ってきた国鉄色を、上芦別の棚田から。この棚田は、上金剛山展望台からもよく見えます。天気が良いと強い逆光で列車は黒くなってしまいますので、気象条件を踏まえた場所選択です。農地に入らぬよう気を付けながら、棚田らしく撮るために、脚立に乗って三脚を最大限に高く構えました。いちおう勝負カットなので、しっかり撮りました(;^_^A
今回の旅は、釧路で2泊、富良野1泊でしした。道東は久しぶりで、道民になってから釧路、根室は初めての訪問でした。途中立ち寄った、釧路駅、根室駅、東釧路駅の写真も備忘録として載せておきます。
今年の夏は、7月に知床(清里町)、8月初旬に函館、そして今回と3度旅をすることができました。私にとっては69回目の夏。それぞれ、行けるかどうか微妙なところもありましたが、いずれも無事快適に旅ができました。ほんとうにありがたいことです。
白老鉄日記vol.142「秋の気配」でした。
2コメント
2023.09.17 13:01
2023.09.16 13:10