10月はたそがれの国(根室本線)

10月の根室線は霧の中。神秘の「みずうみ」かなやま湖を眺めていると、昔読んだレイブラッドベリの短編集のような奇跡をふと願ったりします。線路がある限り、何が起きるかわかりません‥‥。
10月は心を惑わす月です。(2023/10/20-22,29-31)


10/20(土)~10/22(月)は、東京からの友人と3名での撮影。初日は午後2時に富良野に到着。土砂降りに近い雨降りで、如何ともしがたい一日でした。翌日の天気回復を願う、夜の富良野駅でした。

翌日(21日)は天気は回復、青空も見えます。金山ダムに向かいました。車両運用良く、一往復目が国鉄色、二往復目がタラコ。雨上がりで霧深い朝で、回送送り込みは霧で真っ白。東鹿越始発は何とか絵になりました。紅葉はピーク、雨に濡れて輝いていました。

土日と言うこともあり、撮影者はどんどん増加。桜の頃には及びませんが、20名~30名で、このシーンを撮りました。皆さん満足な写真が撮れたと思います。ほんとにこれが最後の秋なのかな、まだ実感がありません。

東鹿越からの返しは、時間がたっぷりあるので、別の場所で。ここは熊の棲む領域です。車から大きく離れず三脚を立てて撮りました。楓の赤と、奥の黄色。素晴らしい広葉樹の森でした。

ラベンダー橋で、滝川発富良野行を撮りました。ここも見事な紅葉。しかし、これを撮った一週間後、ここで国鉄色1766が熊と衝突しました。

山部駅のハロウィン。前夜も雨の中、寄りました。地元に愛される駅。どんな思いでこの飾りつけをされたのでしょうか。がぼちゃ一つ一つに顔が描かれ、駅舎内にもハロウィンの飾りつけ。お金をかけずの手作り感が温かい。

午後は、少し登ってプチ俯瞰。「ナニコレ珍百景」ではありませんが、振り向けば、例の音楽が流れてきそうな絶景です。ここに誘ってくれた友人に感謝・感謝でした。

夜、富良野駅を覗いてみると、翌日も素敵な運用。滝川行始発は、国鉄色2両でした。

そんなわけで、22日は、芦別方面に向かいました。雨が残る朝でしたが、列車通過直前に雨が上がり、滝川行国鉄色×2が颯爽と通過していきました。山の上の方には雪も見えます。

上芦別で交換した富良野行がやってきました。何度か撮ったS字ですが、秋は初めて。タラコに紅葉。この日も運用に恵まれました。
運用に恵まれた‥‥。かつての花輪線、山田線、米坂線でも、今と同じように国鉄色52や58を追いかけていました。しかし、年月が経つに連れ、あまり重視しなかった盛岡色や新潟色こそ、当地の景色にお似合いだったと気づきました。全国区のタラコや国鉄色は、四季の景色に映えますが、その土地らしさは何といっても地元色の列車です。そんな過去の経験もあるので、根室線では北海道色はしっかり撮っていきたいと常々思っています。

前夜、平地は雨でしたが、標高の高いところでは雪。ワインハウスの丘からは、紅葉と雪景色。東京からの友人も大満足の旅となったと思います。

所用がある私は、一足先に失礼しました。帰りの山部でラストカット。上は薄っすら雪山、真ん中は広葉樹の紅葉。そして、黄葉を待つ落葉松林。いつも撮る場所からの撮影でした。

10/29(日)~10/31(火)、再び富良野へ。29日の夜に到着。翌30日から撮影開始です。東鹿越側は「紫水」という景色に映えない車両が入るので、滝川方面で撮影することにしました。どこも朝霧か濃い朝でした。東滝川駅で、始発列車、貨物を撮り、次の富良野行でようやく光が当たりました。

茂尻駅。紅葉がカラフルです。東鹿越から戻って来たのは紫水。この車両の色使いは鉄道車両の経験がないデザイナーによるものなのか、景色の中での識別が明確にできません。さすがにこの明るい紅葉の中だとそれなりに存在感がありますが、金山湖畔や山部の落葉松林でこの車両が来ると、景色に全く映えず、一本損をした気分になります。まあ、こんな車両も走っていたとの記録として、掲載することにしました。

野花南交換では、幸運にも、国鉄色の並びとなりました。このうち一両(小さく見える車両)が、この日の夜、ラベンダー橋の下で熊と衝突するとはこの時点では知る由もなく‥‥。

午後3時の往復は、金山湖畔で撮りました。落葉松は色づきの途中で、黄色と緑が混ざった珍しい色でした。ここ金山湖畔の小橋が見える場所は、沿線の中で、最も好きな場所の一つです。これまで何十回と撮ってきましたが、今回のものは、ベスト3に入るほどお気に入り。(TOPの写真も同じタイミングで撮ったものです。) あと何度ここで撮れるのでしょうか。

午後5時は布部駅。日が落ちて、黄昏空は良い色です。ホームの銀杏はまだ緑と黄色が入り混じっていました。

翌日(31日)は、色づき始めた山部の落葉松林を撮ろうと、霧の中で三脚を立て構えるも、待てども列車は来ません。このとき、前夜、熊と列車の衝突を初めて知りました。そんなわけで午前中は運休のようなので、帰ることにしました。落葉松の黄葉、布部の銀杏の黄葉は、お預けです。(行けたら良いのですが)。

心残りですが、紅葉の根室線。終了です。
白老鉄日記vo.152「10月はたそがれの国」でした。

宿泊した宿を備忘録として記しておきます。
◆10/20,21 富良野NATULUXホテル(富良野駅至近。シンプルで清潔)
◆10/29,30 かなやま湖保養センター(安い、大浴場が嬉しい)

四季の旅写真Gallery Annex

北海道、関東中心の、鉄道風景写真ギャラリー(新館)です。

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