休みの日にしか写真が撮れなかった現役時代と違い、今は撮ろうと思えば毎日撮れます。しかし、条件が悪い日は敢えて撮りませんし、家事もロクにせず遊んでばかりはいられませんし、コロナ禍で心理的なブレーキもかかります。そんなこんなで、写真をほとんど撮らない夏でした。(2021/8/22-28)
シトシト長雨が続きましたが、ようやく回復しそうな月末27日、今月初めてカメラを持ちました。行先は未定ですが、とりあえず東に向かい、無料の高速に乗って浜厚真。キハ40にご挨拶です。雨の心配はありませんが、空は鉛色。
続いて日高本線の終点になってしまった鵡川で直角に曲がり、一度訪ねたかった旧富内線の富内駅。また雨が落ちてきましたが、1986年で時間が止まったような富内駅には、小雨の演出はお似合いでした。
ここまで来れば、富良野まで50キロ。このところ訪問頻度が高い根室本線(富良野・新得)ですが、晩夏の訪問は初めてなので少し楽しみです。ゆっくり家を出たので、午後3時台の東鹿越往復からの撮影です。まずは金山ダムから。芦別岳は見えませんが、久しぶりにたっぷりの日差し。遠目にもキハ40が十分識別できます。
返しは平凡ながら、かなやま湖の小橋。湖を入れない構図にしたのは訳があります。実は、水がかなり少なく、湖の東側は湖底が見えるほどでした。木々は濃い真夏の緑から、淡い緑に変化したようで、秋の訪れを感じます。
次は午後5時台の東鹿越往復。ひととおり沿線をロケハンしながら、お気に入りの山部駅。日差しの長い影が晩夏らしい。
ここで撮ろうかな。日差しは無くなったし、駅の待合室から窓越しのキハ。待合室の椅子はピカピカで座布団も敷いてあるのに、汽車待ちは私一人。
返しの列車が東鹿越から戻って来ました。まだ午後6時を過ぎたばかりなのにもう薄暗い。写真撮影は、日の長さに敏感になります。久しぶりの撮影で、季節の進みを感じました。山部駅は、上りと下りで雰囲気が全く異なるところもおもしろい。
何気ない1枚のようで、これ、撮りたかったカット。春先からずっと、この材木置き場を入れて撮りたいと思っていました。ようやく実現! これにてこの日の撮影終了。このまま帰るのは勿体ないと思い、旅番組のように今夜の宿探し。しかし目当ての安宿はコロナで休業中だったので奮発して富良野のラビスタに泊まりました。これが良かった。若くはないし、宿にけちらず大正解。ラビスタの屋上露天風呂は心地よく部屋は広く快適で、非日常感を十分味わえました。
翌朝は、夜明けに露天風呂に入りました。薄明りの富良野の町と十勝の山々、眼下には富良野貨物駅。さっぱり気分で、宿を出て撮影は布部駅から開始。季節柄、待つ時間がとても心地よい。下金山から山部に向かう、富良野の朝です。
朝の二往復目は、セイタカアワダチソウの絨毯状態の東鹿越で。ここは初夏のルピナスも見事でした。外来種でも季節の花に会えるのは嬉しい。
東鹿越での1時間以上の長時間停車を経て、午前9時台の上りは、私の定番スポットで。やはり真夏の濃い緑ではなく淡い緑が優しい感じで良いなあ。あと1ヶ月ちょっと一面の落葉樹が色づきます。この写真には映っていませんが、線路より右側は落葉松の林。これが11月上旬に金色に色づきます。たぶん今年も訪ねるだろうな、次の年には線路があるとは限らないので。
今日は遅くまで撮ろう。とはいえ、富良野側では、次の列車は午後3時まで待たねばなりません。よって狩勝峠を越えて新得に向かうことにしました。途中幾寅、落合には当然立ち寄りました。訪ねるたびに朽ちていく落合駅。寂しい、、、。
落合から新得まではわずか20分ほどの峠越えですが、お国が変わります。新得に来たからには蕎麦です。実は撮影と同じくらい楽しみでした。新得地鶏セイロを頂きました。
食欲が満たされ撮影開始です。この日は、ロイヤルエキスプレスが走る日。増田山山頂からも良いですが、沿線を走っているうちに蕎麦畑を発見。ここで撮ろう!
ロイヤルエキスプレスの長い編成も収まる、広大な蕎麦畑。さすがは北海道、さすがは新得です。
せっかくなので、増田山に登り、15時台の貨物を撮りました。
十勝の恵みを載せて。貨物列車は空コンテナなく、長い編成です。野を越え、山を越え、海峡を渡り、本州の食卓へ。
今回の締めは、17時台の国鉄色キハ。もちろん、蕎麦畑です。単行を想定しましたが、婦唱夫随のように、白い北海道色との2両。こういう赤白も悪くはありません。こうして夏の終わりの2日間、久しぶりの撮影終了です。日勝峠を越え、下道でゆっくりと白老に帰りました。
行けば撮影は楽しいですが、現役の頃のような行く前のワクワク感がない。オンとオフのメリハリがないからでしょうね。働いてこそ遊びが楽しい。そのリズムでずっとやってきましたから。ちょっと考えないといけませんね。
こうして私の67回目の夏が終わりました。白老鉄日記vol.45 Fin.
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