狭間の季節 白老鉄日記 vol.53(根室本線)

初冬の北海道は日が短い。16時には日が沈むので15時を過ぎると早くも夕暮れムードで、家に籠っていると一瞬にして夜になる感じです。したがって、天気の良い日は早起きして外に出ないと、生活に張り合いがなく、隠居生活も中々一筋縄ではいかず複雑なものです。そんなわけで、11月終盤の天気の良い或る日、安い宿が取れたことを理由に、遠出しました。行先は富良野方面ですが、狭間の季節ゆえ、特に目当てはなく。(2021/11/28-29)

遅めに白老を出て、途中日高本線(浜厚真)に寄り道したので、かなやま湖に着いたのは14時近く。列車到着まで1時間以上ありました。数日前にまとまった積雪があり、根室本線の暫定終点駅東鹿越辺りは真冬の景色です。今年はここで、初夏にルピナス、晩夏にセイタカアワダチソウを撮ったなぁ。

15時の下り列車は、いつもの湖畔で撮ることにしました。撮影者はいませんが、釣り客の車が少々ある駐車場で三脚を構えます。ラベンダー畑は、整然と綿帽子を被っています。来年もここで、ラベンダーが撮れますように。

今回は、目当ても期待感をそれほど持たずの訪問でしたが、ファインダーの先には、微かに秋色が残る雪景色、しかも鏡のように静かな湖畔。ラベンダーや紅葉にも劣らない素晴らしい光景です。こうなったら日が沈む前に列車が来てほしいと欲が出ます。なんとかセーフでした。

返しは東鹿越からすぐにやってきます。少し場所を移動して、いつもの橋の袂から。さすがに、一部日が落ちましたが、雪化粧をした山肌と微かに残る落葉松の黄葉と、なかなかの季節感。狭間の季節、いいじゃないか!

日がある時間に撮れた鉄道写真は、以上の2カットだけです。次は17時台、列車通過時は真っ暗です。ひとまず山部駅へ。殺風景だったので、中々丸まらないサクサク雪に苦戦しながら、雪だるまを作ってみました。

冬の夕暮れの空色になりました。まだ列車来ないけど、うっとりです。

真っ暗になった頃、列車が到着しました。雪だるまさん、大活躍!

まだ物足りない、撮り足りない気分なので、富良野駅に寄りました。

ホームから、滝川行きのキハ40を撮って、お宿(ラビスタ富良野)にチェックイン。道民向け割引で朝食付きで5,000円、勿論夜泣き蕎麦、お風呂の後のアイスが無料。

翌朝は、少しゆっくりし過ぎました。朝の気温はマイナス8度とこの時期にしては相当な冷え込み。車をスタートさせるのに手間取って、始発列車にギリギリ間に合った感じです。それにしても、金山駅は完璧に真冬の風景です。

富良野から金山湖に向かう途中、随所で樹氷が見られました。金山湖もキンキンだろうと思いきや、樹氷は無く枯れ木の風景。それはそれで、今の季節らしくていいかなと、次の下りは、今年何度も撮ったダム展望台から。

朝の最後の撮影はどこで撮ろうかと富良野方面に戻ると、なんと山部の落葉松林が樹氷の林になっているではありませんか! どうやら空知川に近いところは樹氷が付いているようです。しかし列車は東鹿越で長時間停車するので、ここに戻ってくるまでまだ1時間近くあります。果たして樹氷は持ってくれるか、、。

日が当たらないことを望みながら「消えませんように」の待ち時間は長かった。大丈夫でした。魔法が解けないうちに、キハ40はやってきました。

もう1カット。樹氷は消えてしまえば単なる枯れ木の風景。秋にこんなシーンが見られるなんて、訪ねて良かった! 単行ヨンマルは、シンデレラ・エクスクレスみたいでした。

まだ残る秋色、雪化粧、そして樹氷。秋でもない冬でもない、狭間の季節を楽しむことができました。高倉健さんにも会えました。写真の神様に感謝です。(完)

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