紅葉最終章(根室本線)

天気は、予報通り青空が見える朝でした。しかし太陽が昇る方向には雲が垂れ込め日が差しません。東鹿越始発列車がやってくる5分前、広角は諦めて、望遠に切り替えました。しかし、列車通過時、山部の落葉松林に奇跡のように朝日が差しました。その時間は1分に満たないくらいでした。これがその時の写真です。根室線最後の1年、落葉松のピースは外せない。そんな思いで富良野に駆けつけた甲斐がありました。(2013/11/8-9)

秋のアンコール「落葉松の黄葉」は、北海道ならではの景色。東京から戻ったばかりでしたが、晴天予報の富良野、これは行かなくちゃ。金山湖に到着したのは午後2時でした。満水で鏡のような湖面、快晴です。来るのはタラコのようです。白(北海道色)ならいいのに。写真の神様にしかられそう。雲軍団がやってきてハラハラしましたが、列車通過時まで日が差してくれました。幸先良しです。

同じ場面で、本務機で撮った縦構図です。金山湖にしては上出来なリフレクション。落葉松黄葉は、やや色あせ気味でしたが、ギリギリ間に合いました。やっぱり、ここは白(北海道色)だったら満点なのに‥‥。

これで十分に満足。返しはここで撮らず、今回の目的の1つ、布部駅に向かいました。ホームにある銀杏を撮りたかったのです。しかし、既にかなり落葉していました。

(得意の)駅の反対側から撮りました。遠目でみると、枯れ木の中に黄一点。可愛い銀杏の木です。絵になりました。東鹿越から戻って来た列車です。ここはタラコで良かったのかな。

次の東鹿越行(布部16:55)も、布部で撮ることにしました。ちょこっとマジックなアワー。この日の日の入りは16:15。どんどん日が短くなる。これが北海道の秋冬です。

布部駅で次の列車までの間に、時刻表をメモする地元のおばあちゃん。「無くなっちゃうのでね、久しぶりに乗ろうと思ってね。ふだんはバスを使っているのよ。バス停は少し離れているけど。もしこれがないと陸の孤島。富良野の病院に行くのも大変になる。」と。
ふと思ったのは、廃線と引き換えに来年4月からのバス転換で富良野市等の沿線自治体とJR北海道は合意したと報道があったのが3月。その後の続報がないが、このバス転換は予定通り順調に進んでいると思って良いのだろうか。函館山線問題(運転手不足により廃線後のバス転換の担い手がいない)も浮上しているので、ちょっと心配になってきました。夕張問題(バス転換後、札幌・夕張間が廃止)もあるので、バス転換がスタートしても、継続して運行される体制は必須であると思います。廃線まで5ヶ月を切りました。現在の検討状況・準備状況を知りたいところです。

撮ったのは三本ですが、それぞれが印象的で満足な撮影となりました。他にも、この日は幾寅方面にも行ってきました。幾寅駅の晩秋は落葉松一色です。これも撮りたかった景色でした。東鹿越と幾寅の間の線路は、もう自然に還りつつあります。ここにも落葉松が‥。

宿は、直前割で、富良野ナチュラックスにお安く泊まれました。富良野駅から近いのが良いところ。夜もちょこっと撮りました。キハ40の3両並び。

白樺を入れて、キハ40北海道色の到着シーン。ホテルの窓からも駅が見えます。明日の始発回送に回る23時台の富良野着がタラコであることを確認して寝ました。

満天の星々が見える時間に宿を出発。朝は、山部にずっと居座る予定です。芦別岳はくっきり見えています。寒くはありません。日の出は6:15。始発回送は落葉松の輪郭が分かる程度で流しました。

そして、本番、始発滝川行。通過は7時前後。しかし、日が当たりません。太陽が昇る側だけ雲がありました。広角で落葉松林全体を撮るイメージでしたが、無理だと諦めて、望遠に切り替えたところ、列車通過時だけ、しかも落葉松林だけに日が当たりました。それがTOPの写真と、他のカメラで撮ったこの写真です。居合わせた数名のカメラマンさんも大満足だったと思います。その後、日が差す気配はなかったので、次の列車は別の場所で撮ることにしました。

ふたたび金山湖で撮りました。やっと白(北海道色)です。朝は逆光ですが、日差しは柔らかく、寧ろ逆光気味で奥行きのある写真になりました。釣り人も入れて‥。

まだ午前8時です。9時に富良野に到着する貨物も撮りました。ワインハウスの丘からも、落葉松が見えました。

午前の締めは、布部の銀杏。午前9:45です。この角度から見ると、まだ十分に見られますし、意外と大きい銀杏に見えます。これにて午前の部、終了です。

休憩することなく、美瑛方面に向かい、千代ヶ岡で富良野線を撮りました。遠い記憶でここも落葉松林があったはず。少し霞んでいましたが、美瑛岳は見え、落葉松林(らしきもの)もありました。ここは条件の良いときに再チャレンジです。

せっかく美瑛に来たので、晩秋の丘風景も撮ってきました。

富良野に戻り、午後3時の東鹿越行は、再び山部の落葉松林で。半逆光で、朝とは違った雰囲気と色です。撮っておいて良かった。

そして、ラストカットは、しつこく、金山湖。湖面はざわざわでしたが、昨日より光線は良好で、文句なしのすっきり順光写真でした。


まだ拍子抜けするほど暖かく、過ごしやすい季節の富良野でした。山部の落葉松も、布部の銀杏も「あなたが来るのを待っていたのよ。」と言っているようでした。私はそれに応えるべく、食事はコンビニで買い駐車場で食べながら、一筆書きのように、有能なビジネスマンが、テキパキと仕事を熟すようなリズムで撮影した24時間(睡眠4時間)でした。この二日後に気温は氷点下、雪になりました。
白老鉄日記vol.154「紅葉最終章」でした。

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