冬の終わりに(根室本線)

2022年2月、雪の日の山部駅の駅舎からの駅前光景です。沿線の四季を撮ることに専心していたこれまでと違い、鉄道が生きている証しを記録しておきたい気持ちから撮った1枚です。この冬三度目の富良野は、根室本線(富良野~新得間)の廃線決定後初めての訪問でした。まだ廃線時期は決まっていませんが、次の冬はもう線路は無いかもしれない。これから春も夏も秋も、そんな思いでここを訪ねることになるのでしょうね。(2022/2/25-26)

白老から富良野までは約200キロ。いつも富川から、会いたい人に会う気分で国道237を北上します。占冠辺りで雪になり、視界不良の金山峠を越え、午後2時過ぎ、やっと辿り着いた山部駅。止む感じなく雪が降っていました。

晴れていたら光線的にベストな時間帯。絶景の雪景色を撮りたいところですが、この日は芦別の山々の姿なく、遠方は霞む条件でした。山部駅で撮りました。

東鹿越の返しをはどこで撮ろうか。ロケハンがてら金山湖方面に向かいましたが、雪が降り止まず時間も迫ってきました。金山駅の駅撮りを選択。ここは冬の始めにも同じ構図で撮りましたが、雪の深さが違いますね。

2月も下旬になり、日が長くなってきました。午後5時台の列車が明るい条件で撮れます。下金山駅で撮ることにしました。2月25日は「駅撮りの日」か‥‥。

首にカメラを2本ぶら下げると、けっこう重い。下り列車がやってきました。まずは望遠(300単焦点)で。おぉ、わりといい感じ。

続いて、標準レンズ(24‐105)に持ち替えて。カメラ2台持ってきて良かったかも。いずれも手持ちで撮れる明るさでした。

しっかり除雪された下金山駅のホーム。列車が到着しました。雪晴れの明るい青空もいいけれど、しんしんと雪降る雰囲気の方が良かったです。

そして、金山方面に向かう列車を望遠で後追い。玉ボケもキハ40らしい。
私「廃線決まっちゃいましたね。」、地元の方「でも、まだ話し合いとかあるから2~3年大丈夫じゃないの」。そうだといいなあ‥‥。

東鹿越からの返しは18時過ぎ。おそらく真っ暗なると思い、宿のある富良野駅に向かいました。

「快速狩勝・東鹿越行」が到着。列車待ちの列が階段まで伸びました。日常的な利用者がけっこう多いことに驚きと喜びでした。

お宿は、いつものラビスタ。部屋は広々、屋上露天風呂と夜鳴きそばが楽しみです。

そして翌朝。気温はマイナス6度と寒くありません。天気予報は快晴でしたが、夜が明けると雲多く日差しのない朝です。芦別連山も見えず意気消沈。金山ダムではボンヤリして始発回送列車通過を見逃すという痛恨のミス。始発列車と次に東鹿越行を布部駅で撮りました。

布部駅。ご存知のとおり、「北の国から」第一回のオープニングはこの駅でした。駅舎の中には、懐かしいカットが貼られ、スタンプが置いてあります。

やっと晴れてきました。午前最後の撮影機会は東鹿越9時過ぎ発の滝川行き。富良野駅を出るのは10時過ぎ。マックで時間を潰し、空知川の長い鉄橋を渡るシーンを撮りました。

同じ場所から富良野線も撮れます。富良野岳バックです。一面真っ白な景色は北海道らしい。

珍しく、お昼はおひとり様で、レストランでゆったりと。チーズフォンデュ付きの富良野ポークハンバーグを頂きました。

行先「ぬのべ」の表示。忘れないように記録しました。

午後3時台まで粘りました。最後のカットは、凍結した金山湖に降りて撮りました。ワカサギ釣りのテントがカラフル。中は温かいんです。鉄橋を渡るキハ40見えますでしょうか。この日は気温が上昇し、午後から遠くが霞む条件でした。できれば次の冬に再チャレンジしたいシーンでした。次の冬もあることを願います。

記憶が風化しないように、撮り貯めた写真たちで写真集(暫定版)を作りました。廃線までまだ少し時間があるので、追加撮影分を加えていく予定です。

同じ雪景色でも、マイナス二桁だった1月に訪問した時と比べ、厳しさが消え、緩んだ感じがしました。着実に春に向かっている富良野でした。白老鉄日記vol.63「冬の終わりに」でした。

四季の旅写真Gallery Annex

北海道、関東中心の、鉄道風景写真ギャラリー(新館)です。

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